★Engineer Lab★

エンジニアの職種(type) 仕事内容や必要なスキルを紹介!

エンジニアの職種(type) 仕事内容や必要なスキルを紹介!

エンジニアという職種に興味のある方へ。モノ作り(製品開発)の仕事の種類、その内容、必要なスキルを紹介します。エンジニアの「魅力」や「やりがい」とは?この記事が参考になれば幸いです。

エンジニアとは?

エンジニア (engineer)は、日本語で言えば技術者ということになります。
工学に関する専門的な才能や技術を持った実践者。専門的な才能や技術を用いて、モノ作り(システムも含め)に携わっている人です。

■エンジニアの魅力とは?

人によって様々ですが、自分の携わった製品(モノ)が世の中に出て、それが人の役に立っていることを実感した時、なんとも言えない感動を得られます。

自分が携わっている製品が完成した時の達成感。製品開発する過程で携わる技術や知識など、仕事を通じて自分のスキル向上を図っていけることも魅力の一つです。

■エンジニアの将来性は?

近年、働く人の価値は急速に変化をしています。社会人に求めれれるのは、あなたは何ができますか?ということ。これまでのように良い会社に就職しただけでは生き残っていけない時代となりました。

会社を選ぶ時代から仕事(職種)を選ぶ時代へと変化をしています。市場から求められる仕事やスキルを身に付けていくことが益々必要となりました。

今、世界は急速に技術革新が進んでいます。AI(人工知能)やADAS(自動運転)など、やりがいのある仕事が増えていきます。

あなたの価値を高めていくためにエンジニアという仕事は最高です。今後益々、その仕事の価値は高まっていきます。あなたは何はできますか?という問いに、「私はこれができる」、「こんなスキルがある」と言えるのもエンジニアの魅力です。

エンジニアの職種(Type)

エンジニアの職種は多種多様です。ここでは、モノ作りの開発設計に携わるエンジニアの職種(type)を紹介します。

モノ作りの開発には、大きく4つの技術カテゴリーに分類できます。それは、機械設計電気回路設計制御設計ソフトウェア設計です。それぞれの仕事について、その特徴や技術イメージについて紹介します。

■機械設計(Machine design)

ここでは機械設計の仕事内容と必要なスキルについてご紹介します。

機械設計は、その形(ボディ)を設計したり、機械が動く仕組みを設計する仕事です。プリンターを例にとって解説します。

例)プリンターの設計開発

機械設計のイメージ

例えばプリンターの設計では、プリンターの形状(ボディ)をデザイナーのデザイン通りに設計します。プリンターの機能を網羅する構造を考え検討や検証しながら設計を行います。時にはデザインと機能をどちらを優先させるかという事も必要になってきます。

また、使用する部品の材料も検討します。プリンターのボディには、熱に強く(燃えにくい)、ある程度の強度(落としても壊れない)や軽量な難燃性樹脂材料にするなど、機能や性能に合わせて使用する材料を選択をし、設計を行っていきます。

プリンターの機能を実現する構造や機構を設計します。紙送り機能、印字機能、複写機能、紙詰まり検知機能など、様々な機能を実現するためのメカ(構造・機構)を設計していきます。

そのための必要な材料、モータ、バネやネジなどの機械要素部品の選定。耐久性や信頼性などの品質を考慮し設計をしていきます。

機械設計者は開発する製品によって、幅広く必要なスキルが存在します。機械設計に必要な基礎知識を学び、業務経験を重ね、製品ごとに必要なスキルを習得をしていくことが大事です。

設計ツールについて

今では設計ツールは3DCADを使用し設計を行うのが主流です。3DCADの種類は様々です。製造メーカや製品業界によって使用する3DCADは異なります。

自動車業界の開発にはCATIAV5などが多く使用されています。最近では、解析機能も組み込まれている3CADの需要も増えてきています。

3DADはあくまでも設計ツールです。設計に必要なノウハウを身に付けていくとい事が大切です。

※本サイトのお勧め記事はこちら!

機械設計者を目指す人へ、必要なスキルと習得方法!

■電気回路設計(Electrical circuit design)

ここでは電気回路設計の仕事内容と必要なスキルについてご紹介します。

電気回路設計は、ハードウェア設計とも言われています。その機能や性能を出すために必要な電気部品を選択し、組合わせ接続して設計をします。

回路設計(ハードウェア設計)

回路設計のイメージ

例えば、プリンターの中にも電気回路の基板(上記写真)が内蔵されています。紙送りするモータを駆動させる回路。印刷する画像や文字データを受信する回路。データ通りに紙に印字する機能を制御する回路。機能ごとに必要な回路を設計します。

例えば、紙送りするモータを駆動するために必要な電気量(電流)を考え、モータに電流を流す電気部品(トランジスターや駆動用LSI)を選択し、モータを駆動する回路を設計したりします。

ネットワーク(LAN)や無線LANなどからデータを送受信のための電気部品(通信用LSI)を使用してデータ通信の回路を設計したりします。

※LSI:目的とする電気的機能を制御する半導体。LSIを開発する半導体メーカではLSIの内部回路設計する仕事もあります。

マイコン回路の設計について

回路設計のなかでも、マイクロコンピュータ(LSI)を使用する回路は多いです。マイクロコンピュータ(以降:マイコン)は製品の機能を統括し制御する頭脳の役割をはたします。

回路設計は、まず製品仕様や機能を満足できるマイコンの仕様やスペックを検討します。コストなども考慮しマイコン(LSI)の選定を行います。マイコンに必要な記憶領域(メモリ)などを選定し、周辺回路を含め設計を行います。

また、マイコンのプログラムを設計する制御設計者(後段で説明)にプログラム設計に必要な情報(仕様)を作成するのも回路設計者の仕事になります。

基板設計について

回路設計の仕事は、設計した回路を実際の基板を制作するための仕様も考えます。部品と部品を接続するパターン(電気信号を流す銅線)の太さや引回し方法、電気部品の基板への実装位置(レイアウト)など、回路基板を製造するための仕様書を作成し、基板製作メーカに製造を依頼します。

また、基板の形状寸法などは、回路基板をどの位置に設置するのかなど、機械設計者と打合せをしながら進めていきます。

設計ツールについて

回路図を描くツールは、CR5000/8000(図研)などが有名です。回路設計のシュミレーションツールでORCADやP-SPICEも良く使います。

※本サイトのお勧め記事はこちら!

回路設計者を目指す人へ、必用なスキルと習得方法!

■制御(組込み)設計(Control design)

ここでは、制御設計の仕事内容と必要なスキルについてご紹介します。

ここで解説する制御設計は、電気回路で使用されるマイクロコンピュータ(マイコン)のプログラムを設計する仕事です。マイコン設計、組込み設計、ファームウェア設計とも言われています。

例)マイクロコンピュータ(マイコン)

制御(組込み)設計のイメージ

電気回路に使用されてるマイコンのプログラムを設計する仕事です。

プリンターを例にすると、紙送りするモータを制御したり、印刷する画像や文字データの通信(LAN・ネットワーク)等を制御するプログラムを設計します。

実際の動きとしては、プログラムにより、マイコンが制御する電気部品(デバイス)を電気的に制御することで、モータを駆動したり、通信データの送受信を行います。

マイコンの半導体メーカは、いくつもあります。最近はARM社、ルネサス社のマイコンが良く使用されています。マイコンの種類やメーカによって内部の機能(メモリ構成や各種制御機能など)が異なるため、マイコンの仕様やスペックを理解しプログラム設計をしていきます。

プログラム設計について

プログラムは、設計仕様書を基にC言語などのプログラム言語で各機能を制御するプログラムを作成(コーディング)していきます。プログラムの作成が完了したら、マイコンの内部回路を動作させるために必要な言語(マシン言語)に変換(コンパイル)し、マイコンに実装(ダウンロード)します。

実装したプログラムが仕様通りに動作しない場合は、その原因を見つけプログラムを改修(デバック)し、再びマイコンにダウンロードを行い動作確認を行っていきます。実際はこの作業を繰り返し行いプログラム設計をしていきます。

マイコンのプログラムは電気回路を制御しモータやセンサーなどを動かします。仕様通りモータが回転しているか、センサーから必要なデータが読み込めているかなど。回路設計者と打合せや動作確認を行いながら開発を進めていきます。電気回路の知識があれば、より設計者としての価値は高まります。

設計ツールについて

プログラム設計するツールは、マイコン各社の開発環境(エミュレータ等)を使用します。最近はMATLABなど、プログラムではなく機能モデルを使用して設計する開発ツールも使用されています。

※本サイトのお勧め記事はこちら!

制御設計を目指す人へ、必要なスキルと習得方法!

■ソフトウェア設計 (Software design)

ここでは、ソフトウェア設計の仕事内容と必要なスキルについてご紹介します。

ソフトウェア設計には、大きく分けるとハードウェアの制御や基本的操作に関わるオペレーティングシステム(OS)とユーザーが直接利用するアプリケーションソフトがあります。

例)ソフトウェア設計

★ソフトウェア設計のイメージ

製品開発でのソフトウェア設計は、主に人が製品を操作するための表示画面(操作部のデザインや操作ボタンのレイアウトなど)や製品を動作させたり、監視(モニタリング)を行うアプリケーションのソフトウェア設計が主な仕事となります。

ソフトウェア設計のレイヤについて

製品開発のソフトウェア設計においては、基本的に以下のレイヤ1(上位)から5(下位)に分けてソフト設計を行うのが一般的です。

1.アプリケーション

ユーザーがコンピュータ上で作業したい機能を、直接的に実現するソフトウェアです。

文書作成ソフト、表計算ソフト、会計ソフトなどですが、プリンターの開発を例にとると写真編集のソフトや年賀状ソフトです。

2.ミドルウェア

ミドルウェアはOSとアプリケーションの仲立ちをし、各アプリケーションが必とする機能を提供します。

3.オペレーティングシステム(OS)

アプリケーションソフトに動作環境などを提供するソフトで、各種入出力の制御やハードウェアの管理など、コンピュータの基本的な制御を行います。

WindowsやMacOSは代表的なOSですね。オープンソースとしてはLinuxなどもあります。

4.デバイスドライバー

ディスプレィ、マウス、プリンターやその他周辺機器など、パソコンに接続されているハードウェアなどをOSによって制御可能にするためのソフトウェアです。

プリンターを購入した時にそのプリンタ用のドライバーソフトをインストールする必要があるのはこのためです。

5.マイコンデバイス(ファームウェア)

ハードウェアを制御するソフトウェア。先に説明した制御設計に該当します。

各レイヤでソフトウェア設計に必要な知識、開発環境、言語があるので、レイヤ毎に必要な知識を習得をしていきましょう。

まとめ

モノ作りの開発設計に関係する仕事は様々です。あなた自身がやりがいを持てる職種を選択することが大切です。また、今後は技術革新のスピードも早く、設計開発環境やツールも進化をしていきます。

ツールが進化していくことで、設計業務がより効率化されていきます。このため、ハードウェアやソフトウェアなどの分野を超えて、幅広く技術知識を習得していくこともエンジニアには必要になってきます。