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電気回路のダイオードの使い方を解説!

ダイオードは、電気回路で最も基本的かつ重要な電子部品のひとつです。トランジスタやICのように複雑な動作はしませんが、ダイオードの役割を正しく理解できるかどうかで、回路設計の理解度は大きく変わります。まずはダイオードの本質的な特性から順に説明していきます。

1. ダイオードの基本的な特性とは何か

最大の特徴は、電流を一方向にだけ流すという点です。
ダイオードには「アノード」と「カソード」という2つの端子があり、

  • アノード → カソード方向:電流が流れる
  • カソード → アノード方向:電流がほとんど流れない

という性質を持っています。

提供元:https://detail-infomation.com/

これは、水道に例えると逆流防止弁のようなものです。正しい向きでは水が流れますが、逆向きでは止まります。電気回路でも同じで、ダイオードを入れることで「流れてほしい方向だけに電流を流す」ことができます。

また、一般的なシリコンダイオードでは、電流が流れるときに約0.6~0.7Vの電圧が下がるという特徴があります。これを「順方向電圧降下」と呼びます。
つまり、ダイオードはスイッチのように完全にON/OFFする部品ではなく、「少し電圧を消費しながら動作する部品」であることも重要なポイントです。

2. ダイオードの特性が回路でどう活かされるのか

「電流を一方向に流す」というシンプルな特性は、回路設計ではさまざまな用途に応用されます。ここでは代表的な3つの使い方を紹介します。

① 逆接続保護(電源保護回路)

初心者が最初につまずきやすいのが、電源のプラスとマイナスを逆につないでしまう事故です。
この対策として、電源のプラス側にダイオードを直列に入れる方法があります。

正しい向きで電源を接続すると、ダイオードが順方向になり電流が流れます。
しかし、電源を逆に接続するとダイオードが逆方向となり、電流が流れなくなります。

その結果、回路全体を破壊から守ることができます。
「ダイオードを1本入れるだけで安全性が大きく向上する」という点は、設計初心者にとって非常に重要な考え方です。

逆接続された時の例:青線のように電流が流れて、ヒューズを遮断することで回路を保護します

提供元:https://ameblo.jp/fc2miha/entry-12895020038.html

② 整流回路(交流を直流に変える)

家庭用コンセントなどの電源は交流(AC)ですが、多くの電子回路は直流(DC)で動作します。
このときに活躍するのがダイオードです。

ダイオードを1本使うと、交流の正の部分だけを取り出すことができます。これを「半波整流」と呼びます。
さらに、ダイオードを4本組み合わせると、交流の正負両方を利用できる「ブリッジ整流回路」になります。

このように、ダイオードは電源回路の入口で必ず使われる部品であり、「交流を直流に変える」という役割を担っています。

提供元:https://www.sbbit.jp/

③ 電圧クランプ・信号保護

ダイオードは、異常な電圧から回路を守る用途でも使われます。
例えば、マイコンの入力端子やセンサ入力は、ある電圧以上がかかると壊れてしまいます。

入力信号ラインにダイオードを配置することで、電圧が一定以上になるとダイオードが動作し、余分な電圧を逃がすことができます。
この使い方を「クランプ回路」と呼び、ノイズ対策や誤動作防止にも効果があります。

参考例)これはセンサー回路やマイコン入力に良く使われるクランプ回路で、このデバイスにはVcc以上の電圧はかからないようになっている

3. 設計初心者が必ず意識すべきポイント

ダイオードを回路で使う際に、初心者が特に注意すべき点は次の3つです。

1つ目は、向きを間違えないことです。
回路図では正しくても、実装時に向きを逆にしてしまうミスは非常に多く、動作しない原因の大半を占めます。

2つ目は、定格(耐圧・電流)を確認することです。
ダイオードにも流せる電流や耐えられる電圧に限界があります。

3つ目は、電圧が下がることを前提に設計することです。
ダイオードを通すと電圧が下がるため、電源電圧に余裕を持たせる必要があります。

まとめ

ダイオードは

  • 電流を一方向に流す
  • 回路を保護する
  • 電源を作る

という、電気回路の土台を支える部品です。

この基本的な考え方を理解できれば、回路図を見たときに「なぜここにダイオードがあるのか」が自然と分かるようになります。ダイオードを理解することは、電気回路設計の第一歩です。

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