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採用したいと思わせる職務経歴書の書き方

エンジニアが就職や転職する場合、職務経歴書は特に重要なアピールツールとなります。その書き方や見せ方しだいで採用確立は変わります。ここではエンジニアの採用面談経験から、採用したいと思わせる職務経歴書の書き方について紹介します。

職務経歴書は重要なアピールツール

採用側は職務経歴書の内容で面接を実施するかしないかの判断をします。その書き方や見せ方によって、そのチャンスは広がります。

職務経歴書の書き方がわかりやすく簡潔にかかれていれば、印象は大きく変わります。

また、面談は第一印象が大事と言われますが、職務経歴書はあなたの第一印象を採用面接官に与える有益なツールとなります。

そして、良い印象を与えられた場合は、面接官も良い印象のまま面接に入るため採用確率は高まります。

職務経歴書でアピールするポイント

🔴定型的なフレームは使わない!

職務経歴書の一般的な項目やフレームはたくさんあります。なるべく定型的なフレームを使用せず、ワードなどで自分で作成することをお勧めします。オリジナル感があった方が熱意がつたわります。

🔴シンプルにわかりやすく!

項目の順序や記入する内容のボリュウムを考慮します。そして、できるだけ経歴や保有スキルがわかりやすく伝わる内容に仕上げることが大事です。

文字が多く、業務経験や保有スキルが混合して、つらつらと書かれている内容では、あなたの経歴や保有スキルが伝わらず良い印象を与えられません。

🔴役割、保有スキル、ヒューマンスキル !

ここでの記載内容で大事なのは3つ、役割(ポジション)保有スキルヒューマンスキルです。ポイントは、わかりやすく記入されていることです。

職務経歴書の構成や見せ方がうまい人は、面接に入る前から非常に良い印象をもたれます。

役割(ポジション)、保有スキル、ヒューマンスキルの以下ポイントを考慮して、職務経歴書のフレームに合わせて作成してください。

役割(ポジション)

ここでは、仕事の役割業務フェーズを記載します

業務フェーズは業種によって異なります。例えばハードウェア開発の場合は、企画、構想設計、基本設計、詳細設計、評価試験などです。また、システム(ソフトウェア)開発の場合は、要件定義、外部設計、内部設計、プログラミング、単体・結合テストなどです。

役割は、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダ、あるいは設計担当など、あなたが業務上どのような立ち位置で仕事をしていたかです。プロジェクトマネージャーなどのマネジメント業務では、プロジェクトの規模やマネジメントしていたメンバーの人数も重要です。

リーダー補佐やリーダ的存在など、実際に存在しない役割を記載すると、あまり良い印象をもたれないので注意が必要です。

保有スキル

ここでは、あなたが保有しているスキルを記載します。

保有スキルは技術力を示す技能・知識や、業務のなかで経験した開発環境・ツールなどです。特にスキルについては、製品名、担当部分、使用した技術要素、相手にあなたの技術力がしっかり伝わるよう記入することが大切です。

技術要素のイメージは、機械設計であれば、使用する材料によって設計技術ががことなります。例えば樹脂を使用する場合は樹脂設計、板金を使用する場合は板金設計、駆動させるための機械であれば機構設計など、保有スキルや技術要素の詳細が伝わる内容とすることが大事です。

・例)回路設計者の場合

基地局(通信装置)の無線送受信部の高周波回路の設計。

開発環境・使用ツール:CR8000、LTspice、ネットワークアナライザー、プロトコルアナライザー

・例)機械設計者の場合

半導体製造装置のウェハー搬送部のXY軸制御機構の機構設計

開発環境・ツール:3DCAD(NX)

・例)システム設計の場合

Eコマースシステムの要件定義から外部設計、内部設計、プログラミングまでを担当

開発環境・ツール:OS Windows、AWS、VC..

ヒューマンスキル

ここでは、あなたのヒューマンスキルを記載します。

例えば、マネジメント力、課題解決力、提案力、折衝力、リーダーシップなどです。つまり、業務を進めていくうえで売りとなる経験やスキルです。

業務フェーズが高い仕事ほど、採用側はヒューマンスキルを重視します。ポイントは、具体的事例を用いて採用側に伝わる内容とすることです。

職務経歴書の構成(フレーム)

エンジニアの場合、その職種によって、職務経歴詳細(以下③)は少し異なります。ハードウェア設計とシステム・組み込み設計では、業務フェーズや保有スキルなどの表記の仕方が変わうるので職種に合った構成にしましょう。

基本フレームは以下をイメージしてください。

①職務経歴要約

②職務経歴概略

③職務経歴詳細

④活かせる知識・経験

⑤保有資格

⑥自己PR

上記の内容をA4で2枚~最大3枚でまとめるのが良いでしょう。

それぞれの項目についてポイントを説明します。

🔵職務経歴要約

ここでは、これまで経験した経歴の概要を3~4行程度にまとめましょう。採用側が最初に目にする文章であることを意識して、5W1Hで「自分がどこで何を経験し何を行ってきたか」など事実をわかりやすく伝えるのがポイントです。

会社に入社した時点から、現在までの大枠の流れとポイントが掴めるようにまとめましょう。

🔵職務経歴概略

ここでは、シンプルに必要な情報だけを記載しましょう。

20**年~20**年**会社入社**事業部 A製品開発に従事
企業名/資本金/従業員数/売上高/事業内容(業界内でのシェアが明確な場合は併記)
20**年~20**年 **会社入社**事業部 B製品開発に従事
企業名/資本金/従業員数/売上高/事業内容(業界内でのシェアが明確な場合は併記)

🔵職務経歴詳細

ここでは、あなたの職務経歴の詳細を記載します。

職務経歴書を見る人は、あたの技術分野に精通している人とは限らないので、あなたがどの製品に、どの役割で、どのような技術知識、スキル、ツールを用いて、成果として何を実現したかを理解できるように記載することがポイントです。

役割(ポジション)保有スキルヒューマンスキルを、わかりやすく記入をしてください。

そして、仕事の特徴を捉え、できるだけ相手に伝わりやすい構成とすることが重要です。

また、ハード設計者とシステム設計者の場合で経歴の表記方法が異なるので、以下ポイントを意識して記入をしてみてください。

ハードウェア開発者の場合

例えば)

 期間   経歴詳細 環境・ツール        役割     
業務に従事した期間担当製品
・製品名を記載します。一般的な製品であれば問題ありませんが、特殊な製品場合は、その製品がどのようなものかを記載しておくことで相手に伝わりやすくなります。
職務内容
・企画、構想設計、基本設計、詳細設計、評価試験など、どの業務フェーズでどの部分を担当し対応したかを記入。
【実績・取組み】
・製品のどの部分を担当し、どのよう技術をもちいて
 何を開発設計(成果)したのかを記入


例)回路設計
・CR8000
・LTspice
・オシロスコープ
etc
例)機械設計
・CATIAV5
・Nastran
etc
役割
・プロジェクトリーダ
・設計担当
・評価試験担当
etc
規模】
・要員数:*名

☞システム開発者の場合

例えば)

 期間    経歴詳細 開発環境       役割      
業務に従
事した期間
【プロジェクト】
・開発システムの大項目を記入
例)**システムの開発・運用・保守

【プロジェクト概要】
・担当したプロジェクトの概略を記入
例) Eコマースシステム のシステム開発と運用・保守
※複数ある場合はその内容を記入

【業務内容】
・担当した業務を5W1Hを意識してわかりやすく記入
例) Eコマースシステム の新規システム開発と運用・保守
【実績・取組み】
・ どの部分を担当し、取組と実績を記入
例)新規システムの要件定義から参画し、プロジェクトマネジャーとしてユーザの要件整理から運用・保守までの一連のシステム開発を担当し正式運用まで完了させた。
【OS】
例)Windows
【言語】
例)Java
  Python
  Ruby
  JavaScript
【FW】
例)Struts
  Vue.js
【DB】
例)ostgreSQL
  AWS Aurora
【その他】
例)Terraform
【役割】
・プロジェクト
マネージャ
【規模】
・要員数:15名
業務フェーズ】
・要件定義
・外部設計
・内部設計
・プログラミング
※担当した業務
フェーズを記入
スキルレベル

システム設計者の場合は、以下のようなスキルレベルを記載すると、よりあなたのスキルがわかりやすく伝わります。

自分が扱える言語や開発環境をまとめ、具体的な言語や開発環境の名称を記載するだけでなく、実際に経験してきた年数も示すと良いです。

例えば以下のように整理すると良いです

項目 環境実務経験実務以外/学習歴
言語 Java 3年1年
FW Struts 2.5年
DB AWS Aurora 2年
OS Windows 10年
その他 Terraform 3年

🔵活かせる知識・経験

ここでは、就職先や転職先の募集要項に対して、あなたの経験が活かせる知識や経験について記載さいます。

就職や転職先が明確であれば、その会社が要望しているスキルやヒューマンスキルについて、特にあなたの経歴で関連する部分をアピール。ここは採用面接官は特に気になる項目ですので、あなたの強みが伝わるよう完結に記入するのがポイントです。

🔵保有資格

ここでは、あなたが保有する資格について記載します。

資格を取得した年月と資格の正式名称を省略せずに記載することが大切です。基本的に、取得している資格はすべて記載します。特に業務に関係する資格であれば有効です。

🔵自己PR

ここでは、あなたの強みをしっかりとアピールする項目になります。特にヒューマンスキル( マネジメント力、課題解決力、提案力、折衝力、リーダーシップなど )が伝わるように、業務経歴を踏まえ、自分の強みをアピールしましょう。

文章は簡潔にスキルや経験をもとに、自分ができることを表現するのがポイントです。相手に伝わりやすくするために冒頭にタイトルをつけるなどするとよりわかりやすくなります。

まとめ

エンジニアが就職や転職する場合、職務経歴書は特に重要なアピールツールとなります。その書き方や見せ方しだいで採用確立は変わります。ここで ご紹介した内容が参考になれば幸いです。